個人事業主にとって資金繰りは常に頭を悩ませる大きな課題のひとつです。
売上はあるのに入金が先になる、急な仕入れや支払いが必要になる、そんな場面は少なくありません。しかし、融資は審査が厳しく、事業の規模や実績によっては利用が難しいこともあります。
そこで注目されているのが「ファクタリング」という資金調達方法です。売掛金を現金化できる仕組みで融資と異なり信用情報に影響しないのが大きなメリットです。ただしファクタリング会社の中には手数料が不透明だったり、個人事業主向けの実績が少なかったりと、安心して利用できないケースもあります。
本記事では個人事業主が安心して利用できるファクタリング会社を厳選し、その特徴や選び方のポイントを詳しくご紹介します。
まずはファクタリングとは
ファクタリングとは企業が取引先に対して持っている「売掛金(まだ支払われていない請求金額)」を、専門のファクタリング会社に譲渡し、代わりに早期に現金を受け取る仕組みです。
通常商品やサービスを提供しても代金が入金されるのは数週間から数か月後というケースが多く、資金繰りに悩む企業も少なくありません。そこでファクタリングを利用すれば入金を待たずに資金を確保でき、事業の安定や成長に活かせるのです。
「1か月後に受け取れるはずのお金」を手数料を差し引いて「今すぐ現金」に換える方法です。借入のように返済義務はなく、売上の早期現金化サービスと考えると理解しやすいでしょう。
個人事業主におすすめのファクタリング会社10社
買取可能額 | 手数料 | 入金スピード | |
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1万円〜5,000万円 | 3%〜10% | 最短30分 |
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下限・ 上限なし | 4%〜12% | 最短50分 |
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下限・ 上限なし | 1.5%~ | 最短3時間 |
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下限・ 上限なし | 1%〜 | 最短2時間 |
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20万円~ 5000万円 | 1%〜15% | 最短30分 |
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30万円〜上限なし | 0.5%〜8% | 最短2時間 |
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30万〜1億円 | 2〜20% | 最短即日 |
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10万円〜上限なし | 1%〜9.5% | 最短30分 |
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10万円~ 5000万円 | 3%〜 | 最短即日 |
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30万円~1億円 | 2%〜 | 最短即日 |
フリーナンス
フリーナンスはGMOグループが運営するフリーランスや個人事業主に特化したファクタリングサービスです。
仕組みは2社間ファクタリングを採用しており、取引先に知られることなく資金化できるのが大きな特徴。審査は最短30分で完了し、16時半までに承認されれば当日中の入金も可能です。手数料は3%〜10%と比較的リーズナブルで利用回数に応じて引き下げられる仕組みもあり、継続利用しやすい環境が整っています。
さらに料金プランは会費無料の「フリー」に加え、「レギュラー」「プレミアム」の有料プランも用意。上位プランではフリーナンスあんしん補償の補償範囲が拡大するほか、「フリーナンス カード決済」利用時の手数料が優遇されます。特にプレミアムプランには、月額770円相当のバーチャルオフィス(ライトプラン)が付帯するなど、ファクタリング以外のサービス面でも魅力的な特典が用意されています。
買取可能額 | 1万円〜5,000万円 |
手数料 | 3%〜10% |
入金スピード | 最短30分 |
取引形式 | 2社間 |
審査必要書類 | ・住所確認ができるもの(現在の住所が確認できる公共料金の請求書や領収書) ・請求書が送付済みであることが確認できるもの(請求書をクライアントに送付したメールのキャプチャなど) |
運営会社 | フリー株式会社 |
ビートレーディング
ビートレーディングは2012年創業以来、10年以上の実績を持ちこれまでに取引実績7.1万社以上、累計買取額1,550億円を誇る信頼性の高いファクタリング会社です。
資金調達までのスピードにも強みがあり、300万円以上なら申し込みから最短2時間、300万円未満ならなんと最短50分で入金可能。必要書類も口座の入出金明細と売掛債権に関する書類の2点のみとシンプルで、申込から契約までオンラインで完結できるため、手間がかかりません。
手数料は4%〜12%と業界内でも比較的低めに設定されており、コストを抑えながら利用できる点も魅力です。さらに専任の女性オペレーターによる丁寧なサポート体制が整っており、個人事業主やフリーランスの方でも安心して利用しやすい環境が整備されています。
買取可能額 | 下限・ 上限なし |
手数料 | 4%〜12% |
入金スピード | 最短50分 |
取引形式 | 2社間/3社間 |
審査必要書類 | ・口座の入出金履歴(直近2か月分) ・売掛金に関する資料(請求書・契約書など) |
運営会社 | 株式会社ビートレーディング |
日本中小企業金融サポート機構
日本中小企業金融サポート機構は関東財務局長および関東経済産業局長から「経営革新等支援機関」の認定を受けている、信頼性の高い社団法人です。専門的な支援体制が整っており安心して利用できます。
ファクタリングの手数料は業界でも低水準の1.5%〜10%に設定されています。一般的に2社間ファクタリングでは15〜30%、3社間で2〜15%が相場とされる中、コストを大きく抑えられるのが大きな強みです。
さらに審査スピードにも優れており、審査結果は最短30分以内、入金までは最短3時間と非常に迅速。書類提出もオンラインで完結でき、必要書類は通帳コピー(直近3か月分)・請求書/契約書・身分証明書のみとシンプルで、手続きがしやすい点も魅力です。
加えて独自のAIファクタリングサービス 「FACTOR⁺U(ファクトル)」 を展開しており、必要書類2点をアップロードするだけで簡単に審査が可能。入金までも最短40分とスピーディーで、急ぎの資金調達やオンライン完結を希望する方に特におすすめです。
買取可能額 | 下限・ 上限なし |
手数料 | 1.5%~ |
入金スピード | 最短3時間 |
取引形式 | 2社間/3社間 |
審査必要書類 | ・口座の入出金履歴(直近3か月分) ・売掛金に関する資料(請求書・契約書など) |
運営会社 | 一般社団法人 日本中小企業金融サポート機構 |
QuQuMo
QuQuMo(ククモ)はファクタリング自主規制団体「OFA」の認定事業者である株式会社アクティブサポートが運営する、オンライン完結型のファクタリングサービスです。スマホ・PCどちらからも簡単に手続可能です。
法人・個人事業主を問わず利用でき、売掛金の現金化を最短2時間で実現。手数料も業界最安水準の1%〜と非常に低コストで利用できる点が大きな魅力です。
さらに2社間ファクタリング方式を採用しているため、取引先への通知や債権譲渡登記が不要。取引先に知られることなく資金調達を行うことが可能です。必要書類も請求書と通帳のわずか2点のみで面倒な手続きがないため、誰でも簡単かつスピーディーに利用できます。
買取可能額 | 下限・ 上限なし |
手数料 | 1%〜 |
入金スピード | 最短2時間 |
取引形式 | 2社間 |
審査必要書類 | ・入出金明細(保有する全銀行口座の入出金明細直近3ヶ月分) ・請求書(請求金額・入金日が確定しているものに限ります。) |
運営会社 | 株式会社アクティブサポート |
株式会社No.1
株式会社No.1は全国に拠点を展開しており「即日対応実績」「他社からの乗り換え実績」「リピート率」すべてにおいてNo.1を獲得している実績豊富なファクタリング会社です。
手数料は1%〜15%と業界でも非常に低水準で、他社と比較してもコストを抑えて資金調達できる点が大きな魅力です。さらに審査から契約、入金まで最短30分で完了するため、急な資金ニーズにも柔軟かつスピーディーに対応し、事業のキャッシュフロー改善を強力にサポートします。
また他社からの乗り換えに特化したサービスをはじめ、建設業や運送業に対応した専門的なサービス、フリーランス・個人事業主向けのサービスまで幅広く展開しており、業種や事業規模を問わず最適なファクタリングを提供しています。
買取可能額 | 20万円~ 5000万円 |
手数料 | 1%〜15% |
入金スピード | 最短30分 |
取引形式 | 2社間/3社間 |
審査必要書類 | ・過去直近の取引入金が確認できる書類(入金通帳・当座通帳・当座照合表) ・決算書直近二期分(勘定科目明細付で税務申告済みの捺印のあるもの) ・成因資料(請求書・発注書・納品書など) ・取引先企業との基本契約書(お持ちでない場合はご相談ください) |
運営会社 | 株式会社 No.1 |
アクセルファクター
アクセルファクターは株式会社アクセルファクターが提供するファクタリングサービスで、大元はネクステージグループホールディングスに所属しており、安心・安全な運営体制が整っています。資金調達の専門家が選ぶ「安心して利用できるファクタリングサービスNo.1」にも認定されています。
※調査機関:日本マーケティングリサーチ機構(調査期間:2022年4月25日~2022年8月2日)
手数料は0.5%~8%と業界でも最低水準に抑えられており、来店や対面は不要で全てオンラインで手続き完結可能です。さらに申込から最短2時間で資金調達でき、審査通過率は 93.3%と高い実績を誇ります。
法人はもちろん個人事業主やフリーランスも利用でき、少額の売掛金からでも対応可能です。累計買取債権額は460億円突破、利用社数 20,000件以上と、信頼と実績のあるファクタリングサービスとして多くの事業者に選ばれています。
買取可能額 | 30万円〜上限なし |
手数料 | 0.5%〜8% |
入金スピード | 最短2時間 |
取引形式 | 2社間 |
審査必要書類 | ・請求書などの売掛金額が確認できる書類 ・通帳3か月分の写し ・身分証明書 |
運営会社 | 株式会社アクセルファクター |
ベストファクター

ベストファクターは建設業や物流業界で豊富な実績を持つファクタリング会社です。
買取手数料は2%〜と業界でも非常に低水準で、最短当日の入金にも対応。すべての手続きがオンラインで完結するため、スピーディかつスムーズに資金化できます。さらに審査通過率は92.2%と高く、個人事業主やフリーランス、創業間もない企業でも利用しやすい柔軟な審査基準が魅力です。
取引可能額は30万円から最大1億円までと幅広く、大口案件にも対応可能。特に資金繰りの悩みが多い建設業や運送業などに強く、業界特有の事情を踏まえたサポートを提供しています。
加えてベストファクターでは単なる資金調達にとどまらず、無料で財務コンサルティングを受けられる点も特徴です。「経営の安定化」や「黒字転換」といった長期的な経営改善に寄与するサービスを提供しており、資金繰りを根本から支える力強いパートナーとなります。
買取可能額 | 30万〜1億円 |
手数料 | 2〜20% |
入金スピード | 最短即日 |
取引形式 | 2社間/3社間 |
審査必要書類 | ・入出金の通帳(WEB通帳可) ・請求書、見積書、基本契約書(取引先との契約関連書類) |
運営会社 | 株式会社アレシア |
PAYTODAY
PAYTODAYはDual Life Partners株式会社が運営するオンライン完結型・AI審査のファクタリングサービスです。累計申込額はすでに250億円を突破しており、多くの事業者に利用されています。
手数料は1〜9.5%と業界最低水準。AI審査によって人件費を削減することでこの低コストを実現しています。また上限が明示されているため、料金体系がわかりやすく安心して利用できる点も大きな魅力です。
さらに申込みから最短30分で審査が完了し、即日振込にも対応。急な資金ニーズにもスピーディーに応えることができます。
対象は法人に限らず、個人事業主・フリーランス・ベンチャー企業など幅広く、開業したばかりの方でも利用可能です。
「とにかく早く、低コストで資金調達したい」という方に特におすすめできるファクタリングサービスです。
買取可能額 | 10万円〜上限なし |
手数料 | 1%〜9.5% |
入金スピード | 最短30分 |
取引形式 | 2社間 |
審査必要書類 | ・代表者様の本人確認書類 ・売却する対象の請求書 ・直近6カ月以上の入出金明細 ・昨年度の決算書 |
運営会社 | Dual Life Partners株式会社 |
TRY
TRYには経験豊富な専門スタッフが在籍しており、申込みから入金まで親身なサポートを受けられるため、ファクタリングの利用が初めての方でも安心して利用できます。真摯で丁寧な対応を強みとし、お客様の経営を支えるパートナーとして頼れる存在です。
また全国に対応しており、zoom面談のオンライン契約により遠方の方でも当日最短2時間でスピーディーに契約ができる点が魅力的です。
手数料は3%~と業界最低水準の水準に設定されており、コストを抑えた資金調達が実現できます。また最短即日での入金も可能で、「ファクタリングはスピードが命」という理念のもと必要書類をできるだけ少なくし、状況に応じた柔軟な審査を行っています。実際に申込みの半数以上が即日中に対応されているのも特徴です。
買取可能額 | 10万円~ 5000万円 |
手数料 | 3%〜 |
入金スピード | 最短即日 |
取引形式 | 2社間 |
審査必要書類 | ・請求書 ・基本契約書、請負契約書、業務委託契約書等 ・預貯金通帳 ・決算報告書(法人の場合) ・印鑑証明書(法人の場合) ・身分証明書 ・代表者の実印と法人印 |
運営会社 | 株式会社SKO |
メンターキャピタル
メンターキャピタルは2009年に設立され、年間3,000件以上の豊富な取引実績を誇る信頼性の高いファクタリング会社です。
審査通過率92%、買取率最大98%という業界トップクラスの実績を持ち、他社で断られた方でも利用できる可能性が高いのが特徴です。これにより買い取りの可能性が高く、さらに資金調達額も多く確保できます。
手数料は2%~と業界最低水準に設定されており、コストを抑えた資金調達が可能です。また審査時間は最短30分、即日入金にも対応しているため急な資金需要にもしっかりと応えます。必要書類が事前に準備されていれば、最短即日での契約完了も実現できます。買取可能額は30万円から1億円までと幅広く設定されており、法人・個人事業主を問わず、様々な業種の方にご利用いただけます。
このようにメンターキャピタルは高い実績と信頼性、低コスト、スピード対応、幅広い対応力を兼ね備えた総合力の高いファクタリング会社として、多くの事業者様から選ばれています。
買取可能額 | 30万円~1億円 |
手数料 | 2%〜 |
入金スピード | 最短即日 |
取引形式 | 2社間/3社間 |
審査必要書類 | ・本査定申込書 ・売掛先からの入金が確認できる通帳のコピー |
運営会社 | 株式会社 Mentor Capital |
個人事業主がファクタリング会社を選ぶ際のポイント
ファクタリング会社を選ぶ際のポイントとして以下の7点が挙げられます。
- 入金スピードが速く、即日対応できるか
- 個人事業主の利用実績があるか
- 契約形態は2社間か3社間か
- 長く続いている会社で評判は良いか
- 個人事業主が利用可能かどうかの確認
- 買取可能額を確認
- 手続きが容易かどうか
入金スピードが速く、即日対応できるか
急にお金が必要な時こそファクタリングの出番!入金の早さは重要なポイントです。
良い会社なら書類がそろえば即日でお金を振り込んでくれます。ただし即日対応には条件があることも多く、平日の午後3時までの申込みが必要だったり、初回は時間がかかったりすることもあります。
オンラインで手続きが完結する会社は比較的早い傾向にあります。いざという時のために、事前に何社かで相談しておくと安心です。
「最短○時間で入金」という表示がある会社でも、実際の条件をしっかり確認しておきましょう。
個人事業主の利用実績があるか
個人事業主の場合、法人とは違って必要な書類も審査の方法も異なります。
個人事業主の利用実績が豊富な会社なら確定申告書や開業届などの書類にも慣れていて、スムーズに対応してくれます。逆に法人メインの会社だと、「個人事業主はちょっと…」と断られることもあります。
ホームページに個人事業主の体験談が載っていたり、「個人事業主歓迎」と書いてある会社を選ぶのがおすすめです。
同じ立場の人が実際に使っている会社ならきっと親身になって相談にのってくれるはずです。
契約形態は2社間か3社間か
ファクタリングには2つの方法があります。
2社間は自分とファクタリング会社だけの秘密の取引です。取引先にバレる心配はありませんが、手数料は10-20%とちょっと高めです。3社間は取引先も含めた3者での契約になるので、取引先に知られてしまいますが手数料は1-10%と安くなります。
「取引先との関係を考えると知られたくない」という方は2社間、「手数料を抑えたい」という方は3社間がおすすめです。
どちらがいいかは、自身の事業の状況や取引先との関係によって決めましょう。無理に安い方を選んで関係が悪くなるより、安心できる方を選ぶことが大切です。
長く続いている会社で評判は良いか
やはり長年続いている会社の方が安心ですよね。
設立から何年経っているか、これまでにどれくらいの取引があったかなどをチェックしてみましょう。
インターネットの口コミや評判も参考になります。「対応が丁寧だった」「約束通りに入金してくれた」「説明がわかりやすかった」といった声が多い会社は信頼できそうです。ただし中にはウソの口コミもあるので、いくつかのサイトを見比べて判断しましょう。
金融庁に登録されている会社や業界団体に加盟している会社なら、より安心して利用できます。
個人事業主が利用可能かどうかの確認
「個人事業主OK」と書いてあっても、実際には条件が厳しくて使えないことがあります。
例えば「開業から3年以上」「年商1000万円以上」などの条件があるかもしれません。申込む前に開業からどれくらい経っていれば良いか、年商の条件はあるか、継続的な取引が必要かなどを確認しましょう。
必要な書類も確認が大切です。確定申告書、開業届、取引先との契約書などが一般的ですが、会社によって違います。
「個人事業主専用プラン」がある会社や「個人事業主大歓迎」と積極的に書いている会社を選ぶと、断られる心配が少なくて安心です。
買取可能額を確認
ファクタリング会社によって、扱える金額の範囲が決まっています。
特に少額の売掛金をお持ちの場合は下限金額の確認が重要です。「最低100万円から」という会社に50万円の売掛金で申込んでも断られてしまいます。個人事業主の場合、1万円や10万円といった少額から対応してくれる会社がおすすめです。
逆に大きな金額の場合は上限も確認しておきましょう。少額専門の会社は手続きが簡単で早いことが多く、大口専門の会社は手数料が安いことが多いです。
今必要な金額だけでなく将来のことも考えて選ぶと良いでしょう。
手続きが容易かどうか
お金が急に必要な時に複雑な手続きは困りますよね。
良い会社は必要な書類を少なくして、できるだけ簡単に手続きできるようにしています。スマホやパソコンから申込みができて、書類もメールやアプリで送れる会社が便利です。
わざわざ事務所に行ったりたくさんの書類を郵送したりする必要がない会社を選びましょう。契約もオンラインで完結できる会社なら24時間いつでも申込めて、進み具合もスマホで確認できます。
「必要書類はこれだけ」「手続きは3ステップで完了」のように、わかりやすく説明している会社がおすすめです。
個人事業主がファクタリングを利用する際の注意点
個人事業主がファクタリングを利用する際の5つの注意点をわかりやすく説明します。
- 契約内容の確認を忘れずに行う
- 償還請求権がないことを確認する
- 会社の信用度を確認
- 審査では売掛先の信用力が重要視される
- 請求書のみで審査通過できるファクタリングには注意する
契約内容の確認を忘れずに行う
契約書にサインする前に内容をしっかりと確認することがとても大切です。
急いでいる時でも手数料の計算方法、入金日、必要な手続きなどは必ずチェックしましょう。「よくわからないけど、とりあえずサインしよう」は危険です。
特に気をつけたいのは、追加費用が発生する条件や、万が一売掛金が回収できなかった時の取り決めです。難しい言葉で書かれていてわからない部分があれば遠慮せずに「これはどういう意味ですか?」と質問しましょう。良い会社なら丁寧に説明してくれるはずです。
契約は一度結んでしまうと変更が難しいので、納得できるまで確認することが重要です。
償還請求権がないことを確認する
「償還請求権」という言葉は難しく聞こえますが、簡単に言うと「売掛金が回収できなかった時に、あなたがお金を返さなくても良い」という意味です。
本来のファクタリングでは売掛先が倒産してお金を払えなくなっても、あなたが代わりにお金を返す必要はありません。これが「償還請求権なし(ノンリコース)」です。しかし悪質な業者の中には「償還請求権あり(リコース)」の契約を結ぼうとするところもあります。この場合売掛先からお金が回収できないと、あなたが代わりに支払わなければなりません。
契約前に「償還請求権はありませんよね?」としっかり確認しましょう。
会社の信用度を確認
ファクタリング会社が本当に信頼できるかどうかを事前にしっかりと調べることが大切です。
まずちゃんとした事務所があるか、固定電話番号があるか、公式サイトがきちんと作られているかを確認しましょう。携帯電話の番号しかなかったり、住所が曖昧だったりする会社は要注意です。また会社の登記情報や代表者名が明確に記載されているか、金融庁への登録があるかなども確認ポイントです。
口コミサイトでの評判も参考になりますが、良い評判ばかり並んでいる場合は少し疑ってみることも必要です。
「この会社にお金を預けて大丈夫かな?」という目線で慎重に判断しましょう。
審査では売掛先の信用力が重要視される
ファクタリングの審査で一番大切なのは実はあなた自身の信用力ではなく、売掛先(お金を支払ってくれる相手)がちゃんとお金を払ってくれるかどうかです。
売掛先が大手企業や公的機関、長年続いている会社なら審査に通りやすくなります。逆に設立して間もない会社や経営状況が不安定な会社が売掛先だと、審査が厳しくなることがあります。
審査に申込む前に売掛先との取引実績や、過去に支払いが遅れたことがないかなどを整理しておきましょう。請求書や契約書、これまでの入金記録などがあると売掛先の信用力を証明しやすくなります。
請求書のみで審査通過できるファクタリングには注意する
「請求書だけで即日融資!」のような宣伝文句には注意が必要です。
通常のファクタリングでは請求書以外にも売掛先との契約書、過去の取引履歴、入金確認ができる通帳などの書類が必要です。これらの書類で本当に売掛金があるのか、売掛先がちゃんと支払ってくれる相手なのかを確認するためです。
請求書だけで簡単に審査が通る会社は違法な業者である可能性があります。またそのような会社は手数料が異常に高かったり、後から追加費用を請求してきたりすることもあります。
「簡単すぎる」「条件が良すぎる」という話には、何かしらの落とし穴があると考えて、慎重に判断することが大切です。
審査の通過率を上げるコツ
審査の通過率を上げるコツは5つあります!
- 審査の対象はあくまでも売掛先
- 必要書類を不備なく完璧に準備する
- 希望金額を必要最低限にする
- 大手企業・官公庁・自治体関連の請求書を提出する
- 支払期日の近い売掛金を使用すると通過率UP
審査の対象はあくまでも売掛先
ファクタリングの審査で見られるのは実はあなたのことではなく、売掛先(お金を支払ってくれる相手)のことなんです。
「自分の会社の経営状況が悪いから審査に通らないかも…」と心配する必要はありません。大切なのは売掛先がちゃんとお金を払ってくれる信頼できる相手かどうかです。税金を滞納していたり赤字が続いていても、売掛先が優良企業なら審査に通る可能性は十分あります。むしろ売掛先の業績や支払い実績、会社の安定性などを整理しておくことが重要です。
「この売掛先なら絶対にお金を払ってくれます」ということをアピールできるよう、売掛先の良い点を整理してから申込みましょう。
必要書類を不備なく完璧に準備する
書類に不備があるとそれだけで審査が遅れたり、印象が悪くなったりしてしまいます。
申込み前に必要な書類のリストをもう一度確認して、1つずつチェックしていきましょう。よくある不備は書類の有効期限が切れている、印鑑が押してない、コピーが不鮮明で文字が読めない、などです。特に本人確認書類や印鑑証明書は有効期限があるので注意が必要です。また請求書の金額と通帳の入金記録が一致していることも確認しておきましょう。
書類を準備する時は「審査担当者が見てすぐに理解できるか?」という視点で整理すると良いです。丁寧に準備された書類は、それだけで信頼度がアップします。
希望金額を必要最低限にする
「どうせなら多めに借りておこう」と思う気持ちはわかりますが、審査の通過率を上げるためには必要最低限の金額で申込むことがおすすめです。
ファクタリング会社にとって高額の取引はリスクが大きくなります。例えば100万円の売掛金があっても実際に必要なのが50万円なら、50万円で申込んだ方が審査に通りやすくなります。少額の方が審査も早く済みますし、手数料の総額も抑えられてお得です。
まずは本当に必要な金額を計算して、「今月の支払いには○○万円あれば足りる」という最低限の金額で申込みましょう。
審査に通って信頼関係ができれば、次回からより多くの金額でも相談しやすくなります。
大手企業・官公庁・自治体関連の請求書を提出する
売掛先が大手企業や官公庁、自治体の場合、審査の通過率は格段に上がります。
これらの組織は支払い能力が高く倒産のリスクも低いため、ファクタリング会社にとって安心できる相手だからです。もし複数の売掛金をお持ちなら優先的に大手企業や官公庁関連の請求書を選んで申込みましょう。東証一部上場企業、地方自治体、国の機関、大手銀行などが売掛先だと審査担当者の印象も良くなります。
反対に設立して間もない会社や経営状況が不安定な会社の請求書は、できるだけ避けた方が無難です。
「この売掛先なら絶対に支払ってくれる」と審査担当者に思ってもらえるような、信頼性の高い売掛先を選ぶことが大切です。
支払期日の近い売掛金を使用すると通過率UP
支払期日が近い売掛金の方が審査に通りやすくなります。
例えば支払期日が来月末の売掛金と3ヶ月後の売掛金があったら、来月末の方を選ぶのがおすすめです。理由は支払期日が近い方がファクタリング会社のリスクが少ないからです。期間が長いほどその間に売掛先の経営状況が悪化したり、予期せぬトラブルが起こる可能性が高くなってしまいます。
また支払期日が近いということは、その売掛金が「確実にもうすぐ入ってくる予定のお金」だということを意味します。
審査担当者にとっても「これなら安心」と判断しやすくなるんです。手元にある売掛金の中から、一番支払期日が近いものを選んで申込みしてみましょう。
個人事業主のファクタリングに関するよくある質問

ファクタリングと銀行融資は根本的に仕組みが違います。銀行融資は「お金を借りる」サービスで、毎月利息を付けて返済する必要があります。一方ファクタリングは「将来入ってくる予定のお金を先に受け取る」サービスで、借金ではありません。
具体的にはファクタリングでは既に確定している売掛金(請求書を出したお金)を、手数料を差し引いて早めに現金化してもらいます。返済の必要がないため、毎月の支払い負担がありません。
銀行融資では個人事業主の信用力や担保が重要ですが、ファクタリングでは売掛先の信用力が重視されます。そのため税金滞納や赤字があっても利用できる可能性があります。審査も銀行融資より早く、即日対応も可能です。ただし手数料は銀行の金利よりも高めになることが多いです。
はい、個人事業主でもファクタリングを利用できます。
近年個人事業主向けのサービスも増えており、多くの会社が積極的に対応しています。
ただしすべてのファクタリング会社が個人事業主を受け入れているわけではないので、事前に確認が必要です。「個人事業主歓迎」「個人事業主OK」と明記している会社を選ぶと安心です。
個人事業主がファクタリングを利用する際の条件は会社によって異なりますが、一般的には以下のような点が確認されます
開業届を提出していること、継続的な事業を行っていること、売掛金が実在すること、などです。法人と比べて必要書類は多少異なりますが(確定申告書、開業届など)、基本的な仕組みは同じです。多くの個人事業主が実際に利用されているので、条件に合う会社を見つければ問題なく利用できますよ。
初回利用時の審査は継続利用時と比べると少し時間がかかることがありますが、決して厳しすぎるわけではありません。ファクタリングの審査で最も重要なのは、あなた自身の信用力ではなく売掛先(お金を支払ってくれる相手)の信用力だからです。
初回審査でチェックされる主なポイントは、売掛金が本当に存在するか、売掛先が信頼できる相手か、必要書類に不備がないか、などです。売掛先が大手企業や官公庁、長年取引のある安定した会社なら審査はスムーズに進むでしょう。
審査を有利にするコツは必要書類を完璧に準備すること、売掛先との取引実績を整理しておくこと、希望金額を必要最低限にすることです。わからないことがあれば申込み前に電話で相談してみるのもおすすめです。親切な会社ならどんな書類が必要か、どのくらい時間がかかるかなど、丁寧に教えてくれるはずです。
ファクタリング会社によって最低利用金額は異なりますが、個人事業主向けのサービスでは1万円や10万円から利用できる会社も多くあります。数万円から数十万円の少額でも全く問題ありません。
実際に個人事業主の方の多くは数十万円程度の売掛金でファクタリングを利用されています。大手の会社では最低金額が100万円以上に設定されていることもありますが、個人事業主や小規模事業者向けに特化した会社なら少額から対応してくれます。
少額専門の会社には手続きが簡単、審査が早い、オンラインで完結するといったメリットもあります。「こんな少額で申し込んでも大丈夫かな?」と心配される方もいらっしゃいますが、会社側も小口取引を歓迎しているところが多いので、遠慮する必要はありません。
ファクタリングは信用情報に影響しません。なぜならファクタリングは「借金」ではなく「売掛金の売買」だからです。
信用情報機関(CICやJICCなど)に登録されるのは銀行融資、クレジットカード、消費者金融などの「借入」に関する情報です。ファクタリングはお金を借りるのではなく、将来入ってくる予定のお金を先に受け取るサービスなので、信用情報とは無関係です。
そのため過去に支払いの遅延があった方、債務整理をした方、いわゆる「ブラックリスト」に載っている方でもファクタリングは利用できます。またファクタリングを利用したことで将来の銀行融資やクレジットカードの審査に影響することもありません。この点は資金調達に困っている個人事業主の方にとって、とても心強いポイントだと思います。
基本的に請求書だけでファクタリングを利用することは難しく、また注意が必要です。正規のファクタリング会社では請求書以外にも複数の書類が必要になります。
通常必要になる書類は、売掛先との基本契約書、過去の取引履歴、入金確認ができる通帳のコピー、本人確認書類、印鑑証明書などです。これらの書類で売掛金が本当に存在するか、売掛先が信頼できる相手か、継続的な取引があるかなどを確認します。
もし「請求書だけでOK!」「書類は一切不要!」と宣伝している業者があったら、そのような業者は違法な高金利で貸付を行う悪質業者である可能性があります。また後から追加書類を求められたり、異常に高い手数料を請求されることもあります。
安全にファクタリングを利用するためには、必要書類をしっかりと準備して信頼できる会社を選ぶことが大切です。
通帳がない状態でファクタリングを利用するのは、正直なところ非常に難しいです。通帳(または口座の取引明細)はファクタリング審査において最も重要な書類の一つだからです。
通帳が必要な理由は、掛先から過去に実際にお金が振り込まれているかの確認、継続的な取引関係があるかの証明、売掛先の支払い能力の判断材料、などに使われるためです。この情報がないとファクタリング会社は「本当に売掛金があるのか」「売掛先は信頼できるのか」を判断できません。
もし通帳を紛失してしまった場合は銀行で再発行の手続きを取るか、取引明細書を発行してもらいましょう。ネットバンキングを利用している場合は画面をプリントアウトしたものでも対応してくれる会社もあります。どうしても急いでいる場合はファクタリング会社に相談してみてください。代替手段があるかもしれません。ただし通帳なしで対応する業者は悪質業者の可能性もあるので、十分に注意が必要です。
開業したばかりの個人事業主でも条件によってはファクタリングを利用できます。ただし会社によって対応が分かれるところなので、事前の確認が大切です。
開業直後でも利用しやすい条件は、開業届をきちんと提出していること、売掛先が信頼できる大手企業や官公庁であること、売掛金が確実に存在すること、必要書類が揃っていることなどです。特に重要なのは売掛先の信用力で、たとえ開業したばかりでも売掛先が安定した大企業なら審査に通る可能性があります。
逆に難しくなる条件は、開業から間もなく取引実績が少ない、売掛先も小規模で信用力が不明、継続的な取引関係が証明できない、などです。多くのファクタリング会社では「開業から○ヶ月以上」「継続取引○回以上」といった条件を設けています。
まずは「開業○ヶ月ですが利用できますか?」と率直に相談してみることをおすすめします。会社によっては柔軟に対応してくれるところもありますし、今回が難しくても「○ヶ月後なら対応可能」といったアドバイスをもらえるかもしれませんよ。
まとめ
ファクタリングは売掛金を早期に資金化できる便利な仕組みであり、資金繰りに悩む個人事業主にとって強い味方になります。しかし同時に会社選びを誤ると手数料が高額になったり、契約トラブルに巻き込まれたりといったリスクも存在します。
そのためサービスの透明性や入金スピード、そして個人事業主の利用実績が豊富かどうかをしっかりと確認することが大切です。
本記事で紹介したファクタリング会社はいずれも安心して利用できる実績のあるサービスですが、最終的にはご自身の事業規模や資金ニーズに合った会社を選ぶことが重要です。
信頼できるファクタリング会社を上手に活用し、資金繰りの不安を減らして本来の事業に集中できる環境を整えていきましょう。
