ファクタリングを利用しようと思っても「複数の会社に同時に申し込んでも大丈夫なのかな?」と迷う方は多いのではないでしょうか。
できるだけ早く資金を調達したい、少しでも手数料の安い会社を選びたいという気持ちは当然ですよね。実はファクタリングの複数申し込みは問題なく行うことができます。
むしろ複数社に相談することで条件を比較できたり、スムーズに契約先を決められたりとメリットも多いんです。
ただし同じ債権を複数社に譲渡する「二重契約」は法律的にもNGなので注意が必要。
この記事では複数申し込みをする際の注意点や上手な進め方、トラブルを防ぐポイントをわかりやすく解説します。
初めてファクタリングを利用する方でも安心して読み進められる内容になっています!
ファクタリングは複数社申し込みは可能?
結論から言うと複数社申し込みは可能です。
法律上や制度上、「最大〇社まで」といった制限は一切ありません。そのため利用する売掛金の内容や状況に応じて手数料の低い会社を選んだり、サービス内容によって使い分けたりするなど柔軟な活用が可能です。
また複数の会社に同時申し込みを行うことで審査スピード・買取率・手数料などの条件を比較でき、自社にとって最も有利な契約先を見つけることができます。
複数社利用はバレるの?
ファクタリング業界にはCICのような信用情報機関が存在しないため、業者間で利用者の信用情報を共有する仕組みはありません。
さらに各ファクタリング会社は互いに競合関係にあるため、利用者の取引状況が他社へ伝わることは基本的にありません。
どの会社と契約を結ぶかは利用者の自由であり、特定の業者を継続して利用し続ける必要もありません。
安心して自社に最も適したファクタリング会社を選ぶことができます。
ファクタリングで複数社申し込みするメリット
ファクタリングで複数社申し込みするメリットとして以下があります。
- より良い条件で契約できる
- 複数社に相見積もりを取ることで相場がわかる
- サービス内容に合わせて選ぶことができる
- 審査・入金時間が早い会社を見つけられる
- 審査落ちリスクを分散できる
より良い条件で契約できる
複数社に申し込みを行う最大のメリットはより有利な条件で契約できる可能性が高まることです。
ファクタリング会社ごとに手数料率や買取率、契約期間、追加サービスの有無などが異なるため複数社から見積もりを取得することで、自社に最適な条件を比較できます。
特に初めてファクタリングを利用する場合、1社のみで契約すると他社と比較できないため相場より高い手数料を支払うリスクもあります。
複数社を比較することでコストを抑えつつ資金調達のスピードや安心感も確保でき、最も効率的な選択が可能になります。
複数社に相見積もりを取ることで相場がわかる
ファクタリングは業者によって買取率や手数料が大きく異なるため、複数社に相見積もりを取ることは相場把握に非常に役立ちます。
一社だけの見積もりでは提示された条件が高いのか低いのか判断できませんが、複数社を比較することで手数料の平均や相場感を理解できます。
これにより適正な条件で契約できるだけでなく、不要に高い手数料を支払うリスクも避けられます。さらに交渉の際にも複数社の条件を参考にすることで、有利な契約をできるようになる可能性もあります。
サービス内容に合わせて選ぶことができる
ファクタリング会社ごとにサービス内容や対応範囲が異なるため、複数社に申し込むことで自社ニーズに合った会社を選べます。
例えばオンライン完結や即日入金に対応している会社、電話対応や専任担当者が手厚い会社、少額債権に強い会社など特徴はさまざまです。
複数の見積もりを比較することで、資金調達スピード、柔軟な契約条件、サポート体制など自社の事業状況や優先度に応じて最適なサービスを選択できます。
審査・入金時間が早い会社を見つけられる
ファクタリングは資金化までのスピードが重要な場合が多いため、複数社に申し込むことで最も審査や入金が早い会社を見つけることができます。
業者によっては申し込みから最短数時間で入金可能な会社もあれば数日かかる会社もあります。
複数社を比較することで自社の資金需要に最適な業者を選べ、急な支払いにも迅速に対応可能です。
審査落ちリスクを分散できる
複数社に申し込むことで審査落ちリスクを分散できます。
特に初めて利用する場合や売掛先が小規模で信用情報に不安がある場合、1社のみの申込みでは審査に通らない可能性があります。
しかし複数社に申し込むことで1社が審査落ちしても別の会社で契約できる可能性があり、資金調達が滞るリスクを軽減できます。
安全に資金を確保したい場合には複数社申し込みが有効的な戦略となります。
ファクタリングで複数社申し込みの際のデメリット
ファクタリングで複数社申し込みの際のデメリットを紹介します。
- 一括見積もりサイトを利用すると営業電話が大量に来る
- 手数料が増える可能性がある
- 審査に時間がかかることがある
一括見積もりサイトを利用すると営業電話が大量に来る
ファクタリングの条件を効率よく比較できる一括見積もりサイトは便利ですが、複数社の情報を同時に提供するため申し込み後に大量の営業電話やメールが届く可能性があります。
業者によっては電話やメールの頻度が高く、業務や日常生活に支障をきたすこともあります。また電話対応に追われることで、見積もり内容を十分に比較検討できない場合もあるため注意が必要です。
このような煩わしさを避けるためには見積もり時に「電話連絡不可」や「メールのみで連絡希望」といった要望を伝えるか、事前に信頼できる業者を絞り込んで申し込むことが有効です。
手数料が増える可能性がある
複数社に申し込むことで条件比較のメリットはありますが、利用するファクタリング会社が増えると手数料総額が増える可能性があります。
特に売掛債権を分けて複数社で取引する場合、それぞれの契約に個別の手数料がかかるため結果として資金調達コストが高くなることがあります。また複数社との契約管理が煩雑になることで、追加手数料や管理コストが発生するケースも考えられます。
効率よく複数社を比較するには見積もり段階で条件を確認し、最終的には1〜2社に絞ることが手数料を抑えるポイントです。
審査に時間がかかることがある
複数社に同時に申し込むと各社の審査手続きが並行して進むため、場合によっては審査全体に時間がかかることがあります。
特に売掛先情報や財務情報の確認が必要な場合は提出書類の数が増えることで審査プロセスが複雑化し、結果として入金までのスピードが遅れることがあります。
また業者によっては複数社申し込みがあることを把握すると、慎重に審査を行う場合もあります。
そのため急ぎの資金調達が必要な場合は信頼できる主要な業者に絞って申し込むことが、スムーズな資金化のためには重要です。
ファクタリングで二重譲渡は絶対だめ!
同時申し込みで絶対にやってはいけないのは1つの売掛債権(売掛金)の二重譲渡です。これは違法行為というか、犯罪です。
ファクタリングにおける二重譲渡とは、同じ売掛債権を複数のファクタリング会社に譲渡(売却)する行為を指します。
たとえばA社に「取引先X社への売掛金100万円」を売却して資金を得た後に、同じ売掛金をB社にも売却してしまうケースです。つまり1つの売掛金を2社に同時に売るという行為です。このような行為は横領罪や詐欺罪に該当する可能性があり、刑事責任を問われることになります。
ファクタリングを安全に利用するためには契約中の債権内容を明確にし、同一の売掛金を他社に重複して申し込まないよう徹底することが大切です。
ファクタリングで相見積もりを取る際のポイント
以下ではファクタリングの相見積もりを取る際の4つのポイントについて説明します。
- スケジュールに余裕を持つ
- 3~4社を目安に見積もりをとる
- 契約内容を詳細にしっかりと確認する
- 同じ条件で審査依頼・見積もりを取る
スケジュールに余裕を持つ
ファクタリングの見積もりを複数社に依頼する場合、スケジュールに余裕を持つことが非常に重要です。
各社で審査スピードや対応体制が異なるため、即日で結果が出る場合もあれば数日かかるケースもあります。焦って契約を進めてしまうと手数料が高い業者や不利な契約条件を見逃してしまうことも。
特に初めて利用する場合は各社の対応やサポートの丁寧さも比較する必要があります。
資金繰りに追われてから慌てて申し込むのではなく、必要な資金が必要になる1〜2週間前には見積もりを取るスケジュール感を意識しておくことでより良い条件での契約が可能になります。
3~4社を目安に見積もりをとる
相見積もりを取る際は3〜4社を目安に比較するのが理想的です。
1〜2社だけだと相場感がつかみにくく、逆に5社以上になると手続きや確認に時間がかかりすぎて効率が悪くなります。ファクタリングの手数料は業者によって大きく異なり、同じ売掛金でも数%〜10%以上差が出ることがあります。
また入金スピードや契約方法(オンライン完結・訪問契約)なども会社ごとに異なります。
複数の見積もりを比較することで自社の状況に最も合った条件を客観的に判断できるのがメリットです。
契約内容を詳細にしっかりと確認する
見積もり段階で提示された条件をそのまま鵜呑みにせず、契約内容の詳細をしっかり確認することが大切です。
手数料の内訳(買取手数料・事務手数料・振込手数料など)や入金スケジュール、キャンセル料、契約形態(2社間・3社間)を細かく確認しましょう。中には見積もり時は低手数料を提示しておきながら、契約段階で追加費用を上乗せする悪質業者も存在します。
また契約書内の「債権譲渡登記」「再請求の有無」なども重要です。内容を理解せずにサインすると後からトラブルにつながる可能性があります。
不明点は必ず質問してクリアにしておくのが安全です。
同じ条件で審査依頼・見積もりを取る
相見積もりを取る際は全てのファクタリング会社に同じ条件で審査依頼を出すことが基本です。
提示する売掛金額や取引先、入金予定日などの情報が異なると単純比較ができなくなり、どの会社が本当に有利なのか判断できません。条件を統一することで各社の「手数料」「買取率」「対応スピード」を純粋に比較できます。
また提出書類(請求書・通帳・契約書など)も統一しておくことで審査結果の精度が上がります。特にファクタリングは信用取引に基づくサービスのため、正確な情報提供と透明性のある比較が信頼関係の構築にもつながります。
複数申し込み時に比較すべきポイント
ファクタリングを複数社に申し込む際に比較すべき6つのポイントについてそれぞれ詳しく解説します。
契約条件やサポート体制は会社ごとに異なるため、しっかり比較することでより有利で安心できる契約先を選ぶことができます。
- 手数料率(何%か)
- 入金までのスピード
- 対応の早さ・丁寧さ
- 審査基準の柔軟さ
- 契約形態(2社間 or 3社間)
- オンライン完結できるか
手数料率(何%か)
ファクタリングを選ぶ際に最も重要なのが「手数料率」です。
同じ売掛金額でもファクタリング会社によって手数料は大きく異なり、2社間ファクタリングでは5〜20%程度、3社間では1〜10%程度が相場です。
たとえば100万円の売掛金を10%で買い取ってもらう場合、実際に入金されるのは90万円。手数料がわずか数%違うだけで受け取れる金額に大きな差が出ます。
ただし手数料が安いほど良いとは限らず、入金スピードや信頼性とのバランスも重要です。
複数社から見積もりを取り、手数料の内訳(事務手数料・振込手数料など)まで含めて総合的に比較しましょう。
入金までのスピード
資金繰りが厳しい場合は入金までのスピードも重要な判断材料になります。
ファクタリング会社によっては申込みから最短即日〜翌日入金できるところもあれば、審査や確認に2〜3日かかる会社もあります。
同じ即日対応をうたっていても実際には書類提出のタイミングや審査対応時間によって差が生じます。
複数社に同条件で申し込むことでどの会社が本当にスピーディーに対応してくれるかを見極められます。
また土日祝でも対応可能な会社やオンラインで夜間審査が可能な会社もあるため、自社の資金ニーズに合ったスピード感で選ぶのがポイントです。
対応の早さ・丁寧さ
ファクタリングはスピード重視の資金調達手段である一方、信頼できる対応かどうかも大切です。
問い合わせへの返信が遅い、説明が不十分といった会社は契約後にトラブルになるリスクもあります。逆にメールや電話対応が早く、質問に丁寧に答えてくれる業者は利用者目線で誠実に運営している可能性が高いです。
見積もり依頼時や相談段階での対応品質を比較し、コミュニケーションのスムーズさ・透明性の高さを重視して選ぶのがおすすめです。
契約を急がせたり不明点の説明を避けるような会社は避けるのが賢明です。
審査基準の柔軟さ
ファクタリングの審査は銀行融資ほど厳しくありませんが、会社によって基準が異なります。
たとえば赤字決算・創業間もない企業・個人事業主でも柔軟に対応してくれる業者もあれば取引先の信用度を重視して厳しく見る業者もあります。
複数社に申し込むことで自社のような状況でも契約可能な会社を見つけやすくなります。
また過去の取引履歴や債権規模によっても評価が変わるため、自社の実情にマッチした審査方針の業者を選ぶのがコツです。
審査が通らなかった場合もその理由を丁寧に説明してくれる会社は信頼度が高いです。
契約形態(2社間 or 3社間)
ファクタリングには主に「2社間」と「3社間」の2種類があります。
2社間は利用者とファクタリング会社のみで契約する形でスピーディーに資金化できる一方、リスクが高いため手数料がやや高めです。
3社間は取引先を交えて契約するため手数料が低く透明性が高いですが、取引先の承諾が必要となり、手続きに時間がかかります。
複数社を比較する際にはどちらの契約形態を主に扱っているか、またその手数料や入金スピードの違いも確認しておくと良いでしょう。
自社の取引状況(取引先に知られたくない・即日入金したい等)に合わせて選ぶのがポイントです。
オンライン完結できるか
近年では書類提出から契約・入金までオンラインで完結できるファクタリング会社が増えています。
特に地方企業や個人事業主にとって訪問不要で手続きできるのは大きなメリットです。
ビデオ面談や電子署名による契約に対応している業者ならスピード感があり、全国どこからでも申し込めます。
ただしオンライン完結型でも、本人確認や書類確認をしっかり行う会社を選ぶことが大切です。
複数社を比較する際はオンライン対応の範囲(審査のみオンライン/契約も完結など)を確認し、自社の業務効率に合った形態を選びましょう。
複数申し込みを避けた方がいいケース
ファクタリングで複数申し込みを避けた方がいいケースとして挙げられる状況は2つあります。
- 同じ債権を担保にしている場合
- 契約直前まで進んでいる会社がある場合
同じ債権を担保にしている場合
同じ売掛債権を複数のファクタリング会社に申し込む、いわゆる「二重譲渡」の状態は絶対に避けるべきです。
ファクタリング契約では売掛債権の所有権がファクタリング会社に移転します。
そのため同一の債権を他社にも譲渡してしまうと、どちらの会社が正当な債権者なのか分からなくなり契約違反や詐欺行為とみなされる可能性があります。
一度発覚すると信用を大きく損なうだけでなく、損害賠償や法的トラブルに発展するリスクもあります。
複数社へ申し込む際はあくまで「見積もり段階」までに留めることが鉄則です。安全に比較するためにも各社に「他社見積もり中」と正直に伝えておくとトラブル防止になります。
契約直前まで進んでいる会社がある場合
すでに1社と契約内容の最終確認や書類提出など契約直前の段階に進んでいる場合は、他社への新規申込みは避けるべきです。
この段階で別の会社にも見積もりを依頼するとスケジュールが混乱し、どちらの契約が有効か不明瞭になる恐れがあります。
またすでに審査を通過して契約直前ということは社内で売掛債権の譲渡準備が進んでいるため、別の会社に同じ債権を提示することで「二重譲渡未遂」と判断されるリスクもあります。
ファクタリング会社の信用を失うだけでなく次回以降の審査にも影響を与える可能性があります。
複数の見積もりを取る場合は契約交渉に入る前に比較を終えておくのが理想です。どの会社と契約するかを明確に決めてから進めることで無用なトラブルを防ぐことができます。
まとめ
ファクタリングの複数申し込みは全く問題ありません。
むしろ複数社の条件や対応を比較して、最も自分に合った会社を見つけるために有効な方法です。ただし同じ債権を複数社で契約する「二重譲渡」は法律で禁止されており、トラブルの原因にもなります。
複数申し込みをする際は、「比較は複数・契約は1社」と覚えておくと安心です。
また複数社とのやり取りが面倒な場合は、一括見積りができる比較サイトを活用するのもおすすめ。
無理なくスムーズにファクタリングを利用するためには焦らず丁寧に比較し、信頼できる会社を見極めることが大切です。
正しい知識を持ってあなたのビジネスに合った最適な資金調達先を見つけてくださいね。
